私の作品は輪郭の消失を探求している。
私が関心を持つのは、境界が完全に消滅することなく、その確実性を失っていく状態である。私はイメージを
構築するのではなく、形態、意味、固有性、空間が不安定化し、認識から離れていく条件そのものを探求し
ている。
作品は表象を⽬的としない。
私が扱うのは輪郭の消失である。
輪郭が失われることで、イメージと空間、存在と不在、可視と不可視の境界は曖昧になり、それらの区別は次
第に意味を失っていく。そこに残るものはイメージでも対象でもない。固定することも、名付けることも、完
全に認識することもできない気配の状態である。
黒は色ではない。
黒は構造である。
黒は輪郭を溶かし、認識を不安定化させ、複数の存在状態を同時に共存させる場である。
私の制作は無限の気配の探求である。
認識の先にある気配。
形態の先にある気配。
輪郭が消えた後にも残り続ける気配。