YOSHIKOの作品は、鑑賞者を時間と空間を自由に行き来させ、彼らの記憶や感情を刺激し揺さぶる。抽象化された画面上のフォルムはより鑑賞者の想像を掻き立て、多彩な色遣いや、それぞれの作品の個性的な構図は鑑賞者を非日常の世界にいざなう。人は各々が自分だけの記憶を持っている。彼女の作品は、その抽象化されたフォルムが鑑賞者の記憶を引き出す役割をする。画面上にほんのわずかな鑑賞者の記憶との共通点があるだけでよい。そのわずかな共通点から、鑑賞者自身が自分の脳内から自分の記憶を見つけるのである。
そうして鑑賞者は懐かしい思いに浸って癒されたと感じたり、当時のことを鮮明に思い出し、豊かな気持ちになる。彼女の作品の持つ豊かな色彩も鑑賞者の気分の変化を促すようである。実際、鑑賞者から「作品を見ていたら明るい気持ちになった」とか「元気をもらった」と告げられることも多い。また、彼女の作品からメロディーが聞こえてくるような印象を持つ鑑賞者も少なくない。時にはリズムを感じる鑑賞者もいる。それは幼いころからピアノを奏で、一旦は音楽の道に入った彼女が無意識のうちに画面上に音楽を表現しているのだ。
YOSIKOの作品は、決して押しつけがましくなく、鑑賞者にゆだねる作品である。ゆえに、毎日作品を見ていてもその時の気分で印象が変わる。それが彼女の作品の魅力である。