「アートのトレンド」を知る。日本橋Art.jp 特別企画
完売作家 2025
アートシーンの中でも特に注目度の高い「完売作家」と呼ばれるアーティストたち。個展や展覧会において作品の売約率が90%を超える彼らは、その独自の世界観と表現力で多くの人々を惹きつけてやみません。本特集では、日本画や洋画といった伝統的なジャンルから、コンテンポラリーアート、さらにはデジタル技術を駆使した作品まで幅広く紹介。
完売という実績に裏打ちされた確かな存在感と、その人気の理由を感じながら、ぜひごゆっくりとお楽しみください。
1995年岐阜県生まれの大嶋は、東京藝術大学で日本画を研究し、写真の断片と日本画素材を再構成する独自の技法を確立した。和紙や岩絵具に印刷写真やアクリルなどを重ね、平面的でありながら質感豊かな画面を生み出す。「断片の再構築」を軸に、細密な描写と素材のズレが生む違和感を特徴とし、多くの公募展で受賞。博士課程修了後も展覧会やレジデンスで精力的に発表を続け、《Landscape / Jungle》(2024) などが代表作として知られる。
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1993年生まれの佐藤は、東京藝術大学で日本画を学び、伝統技法を基盤に博物館資料や都市風景を現代的に再構成する作品を制作している。公募展での受賞や個展・グループ展を通じて評価を高め、近年は“光”と“層”をテーマにしたシリーズが注目される。岩絵具や箔を重ねた絵肌に、街灯や窓の明かり、資料の痕跡を取り込むことで、個人と社会の記憶が交差する独自の世界を描き出している。
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東京藝大出身の寺井浩一は、当初は古典的な油彩画を学んだが、感情や感覚を純粋に表現するため抽象表現へと移行した。自然の事象を主題に、多層の布を用いたコラージュや和紙を活かす技法など、多様な手法で独自の世界を構築している。対象から受けた驚きや観照を昇華し、観る者の心に静かに迫る作品が特徴。惰性を嫌い、今後も新たな表現を追求し続ける姿勢が期待されている。
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竹下は自然界に存在する多様な美に深い感銘を受け、特に草木に魅せられて自宅の庭で育てた草花を主なモチーフとしている。制作には、和紙に岩絵具・墨・金銀箔などを用いる日本画技法を採用し、日本文化の精神性と現代性の両立を意識して表現を行っている。自然から受けた癒しや感動を作品を通して伝えることを目指しており、その静謐な世界観は今後の展開にも期待が高まるものである。
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油彩を中心に活動する茂木誠哉の作品は、造形の基本と“ゆるやかな余白”を基調に、見る者に静かな余韻を残す平面作品群である。厚塗りでも、過度な装飾でもなく、筆跡や色彩の余白を生かした淡やかなレイアウトが特徴。その“力みのない感覚”は、現代の喧騒から離れ、静けさや安らぎを求める人々の心にそっと寄り添う。今後の新作にも、目が離せない。
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